日本でもネット上の違法ファイルのダウンロードが問題となっているが、欧州でも論議が起きている。
2009年11月20日付け朝日新聞朝刊はロンドン発として、
『インターネットで横行する音楽や映画などの「海賊版」をめぐる議論が、欧州で過熱している。英国が18日、著作権法違反の取り締まり強化の方針を表明するなど強硬な法規制案が続々登場。これに対し「表現の自由を脅かす」との批判が広がる。』と報じている。
英国の方針は、エリザベス女王が施政方針を代読する「女王演説」で示された。デジタル関連法案を導入するとの内容で、違反者には回線切断も辞さない取り締まり策が柱の一つになる。詳細は近く明らかになるが、下敷きになりそうなのがフランスの「3ストライク法」だ。
インターネット接続業者を通じて確認された違法ダウンロードに対し、政府機関が1回目は電子メール、2回目は手紙で警告。それでもやめないと、接続業者に回線を切らせ、最長で約1年間インターネット契約を認めない内容だ。5月にいったん国会を通過したが、社会党など野党議員が「表現の自由、通信の自由に反する」と憲法評議会に訴え、違憲の判断を得た。しかし政権は回線切断の判断を裁判所に委ねる修正をして、9月に再び国会を通過させた。社会党のメディア問題担当、ブロシュ下院議員は「インターネット利用者への脅しだ」と怒りが収まらない。
各国の強硬姿勢の背景には、窮地に陥った業界の働きかけがある。国際レコード産業連盟の推計では、欧米など16カ国での08年の音楽ダウンロードは95%が違法。EMIミュージックのレオン・セティ最高経営責任者は「(規制は)欧州における非常に重要な第一歩だ」と語る。
対抗する動きも広がっている。6月に欧州議会で議席を得たスウェーデンのミニ政党「海賊党」は、インターネットでの自由を強調し、著作権の期間の大幅な短縮などを掲げる。若い層の支持が厚く、党員の半数は30歳以下だ。
欧州議会議員のエングストラム氏は、インターネットを使う権利を「基本的人権」とみる。「今起きているのは、著作権の執行と市民の権利擁護の争い。民主主義社会では市民の権利が勝つはずだ」
激論をよそに、変化の芽は新ビジネスに現れている。
例えば、パソコンから無料でCDアルバムを丸ごと聴けるサイト「スポッティファイ」。レコード会社との契約費用を広告収入でまかなう合法サイトだ。欧州で急速に広がり、米国や中国への進出もうかがう。「海賊からの脱却」の動きは他にもあり、有罪判決を受けたスウェーデンの海賊サイトの老舗(しにせ)「パイレーツ・ベイ」は、新たな所有者のもとで合法経営を目指している。
「(違法ダウンロードで)欧州ではしばらく、音楽は事実上無料だと見なされてきた。それがここにきて、取り締まりの強化と、広告つき無料サービスの流行という二つの動きが起きている」と、英調査会社スクリーンダイジェストのシニアアナリスト、クライアン氏は言う。
日本でも問題はじわじわと広がる。日本レコード協会などが08年9月に実施したアンケートでは、違法ダウンロードの温床とされるファイル交換ソフトの利用者が初めて1割を超えた。音楽ダウンロード売り上げの9割を占める携帯電話向けは07年秋から08年秋までの1年間で、合法3億2900万曲に対し違法が4億700万曲との推計もある。来年施行される改正著作権法では、こうしたダウンロードの違法性をはっきりさせるが、罰則はついていない。


なかなか難しい問題であるが、違法と知っていてダウンロードするのはやはり問題だと思う。
今から10年くらい前のアメリカのナップスターで大量の音楽ファイルが只で手に入るようになった。結局、ナップスターはレコード会社から訴えられ機能停止した。このとき使われたのがファイル交換ソフト。この技術自体は素晴らしいアイデアであるが、現在でも著作権侵害する悪の存在のように思われてしまっている。
これも弊害の一つ。
それと大きな問題はネットでは無料で何でも手に入るという認識が広まってしまったこと。
コンテンツを作るには大変な労力がいる。それを何の苦労もせずにダウンロードして消費してしまう。これではコンテンツを作る側がやってられない。やはり苦労に見合った対価は払う必要はある。
欧州のこの議論は、かなり踏み込んだ案だ。日本でも、例えばCDをコピーしても個人の使用ならば認められてきた。(レンタルCDでは大分もめたが)
違法ファイルをダウンロードしただけで、ネット接続を切ってしまうというのはかなり過激な対策だ。
日本でも来年からの著作権法改正でも違法とはっきりうたうことになったが、罰則までは設けていない。
しかし、違法ダウンロードの方が正規版より多いとなっては何らかの対策が必要だろう。
正当な対価を払った正直者が損をするのは不公平だ。
思うに、違法ファイルを勝手にアップする方が悪いに決まっている。
送信可能なファイルをネットに置いただけで罪になることは、はっきり明記されている。その大元のファイルを見つけ出して排除するのが先決だと思うのだが、それは簡単にできないということなのだろうか。