2010年3月3日付けasahi.comは興味深いデータを伝えている。
『南米チリで起きた大地震(マグニチュード〈M〉8.8)で、地球の自転が速まり、1日の長さが100万分の1.26秒短くなった計算になると、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)が1日、発表した。』
地震を起こした断層のずれによって、地球の形がわずかに変わり、地軸の向きもわずかに変化したとみられるためだ。断層のずれの規模を想定して算出した。
フィギュアスケートの選手が繰り返し回転するとき、広げた腕を縮めると回転が速くなるのと似た現象だ。計算をしたJPLのリチャード・グロスさんによる と、計測限界は10万分の1秒程度で、チリ大地震による影響を実際に検出するのは難しいという。また、1日の長さはもともと、月や太陽の引力や風などの影 響で1日に千分の1秒程度揺らいでいる。
JPLは2004年のスマトラ沖地震(M9.1)でも同様の計算をし、1日の長さが100万分の6.8秒短くなったはずだとした。


地震で地球の自転が速くなるということは知らなかった。興味深い事実である。
100万分の1秒というと、とても短い時間に感じられる。
しかし、今のコンピュータでの計算時間と比較してみると、実はけっこう長い時間である。
100万分の1秒というと1μ(マイクロ)秒(1x10マイナス6乗)になる。
一方、今のPCのCPUのクロックは数GHz。1GHzとすると1クロック当たりでは、
1n(ナノ)秒(1x10マイナス9乗)で10億分の1秒になる。その差は1000倍になる。
だから計算上は、1日の長さが1μ秒短くなると、コンピュータは1000クロック(1000回の計算量)分の仕事ができなくなるということになる。
こう考えると物理の世界では、1μ秒というのはけっこう長い時間なのである。
ましてや、引力で1日に千分の1秒(1ミリ秒)というのはさらに1000倍の時間になって、コンピュータの世界では十分一仕事できる時間になる。
地球という一見頑丈な物体が実は、こういうようにちょっとしたことで揺らいでいるということは、もっと知られていい科学的事実だと思う。
あるいは地球がとてもあやうい環境にある、さらには絶妙なバランスの上に成り立っているということもわかってくる。
そう考えれば、人類同士がちょっとしことでいざこざを起こしたり、環境を破壊しているということがとても無益のことと思えてくるはず。