2010年3月17日付けasahi.comは、
『東芝は17日、家庭向けの電球として長く親しまれてきた一般白熱電球の製造を中止した。創業者のひとりの藤岡市助氏が1890年に日本で初めて製造 して以来、120年の歴史に幕を下ろした。今後は省エネ性が高く、寿命も長い電球型蛍光灯や発光ダイオード(LED)電球に生産を移す。 』と伝えている。
東芝の国内シェアは数量ベースで約3割。主要メーカーが一般白熱電球の製造を中止するのは初めてだという。
鹿沼工場でつくられていた一般白熱電球は103機種にのぼり、2009年の生産量は約700万個。消費電力の大きい白熱電球をやめLEDなどに置き換えることで、二酸化炭素(CO2)排出量は08年比で年約43万トンの削減効果が見込まれるという。
日本に照明を広めたことで知られる藤岡氏は、1878年に日本で初めての電灯点灯実験に参加。84年に国の使節として渡米した際には「発明王」エジソンと会い、「電気器具を輸入するようでは国は滅びる」との指摘に刺激を受けた。90年に東芝の前身となる「白熱舎」を設立した。
最初の生産能力は1日10個が精いっぱいだったが、最盛期の1973年には年7800万個に達した。東芝はほかの工場もあわせて累計で40億7千万個つくったという。
政府が2012年度までに白熱電球の製造をやめるよう各メーカーに要請したことを受け、東芝は2008年に製造中止を発表。鹿沼工場に6あった製造ラインも1ラインまで減らしていた。


時代の移り変わりを象徴する出来事。
エジソンまで遡る技術が一つ終わろうとしている。それまでは蝋燭やガスのほの暗い光の生活だったものが、白熱電球によって明るく輝く夜になったことは、当時の人たちにとっては新しい時代の夜明けを強烈に感じたことであろう。
それが、新しい時代の光となっているLEDに置き換わろうとしている。消費電力が少なく寿命が長いなどメリットが大きいから、当然のことではある。
我々はLEDの光で新しい時代を感じることになる。
大手の東芝が撤退したことで、他者も追随することになるだろう。白熱電球も静かに終焉の時を迎えることになる。
しかし、白熱電球の暖かい光、そこに照らし出される色は、一つの文化ともいえるのではないだろうか。もちろん、家庭で大量に使うことはないだろうが、例えば生活のアクセントとして時々は照明器具として使うようなちょっとしたことくらいはあってもよいように思う。絶滅危惧種に認定するのは、もったいない。
少量生産をするにはコストがかかるので、安くは作れないと思うが、細々でもいいからメーカーは残ってほしいとも思う。